3/3 大地を守る会加工食品製造者会議に参加して

毎年お声がけいただいている大地を守る会の「全国加工食品製造者会議」。今年は、大崎に移って初の会です。今回からOisix.大地としての開催で、二つの会社の知恵と経験がつまった会という印象を受けました。もちろん、まだまだこれからでしょう!

それはそうと、世の中の動きは、多国籍企業の進出で、さらに加速しています。食品業界も同じ。マーケティングで消費者ニーズをさぐり、それに見合うものを、迅速に安全に確実に提供できないと勝ち残れない、という印象です。

まともに煽りを受けるのは、月山パイロットファームのような弱小企業や小規模の農業生産者。人手不足も深刻ですから、本当に綱渡りの状態が続いています。もちろん、まだまだ変える余地はありますが。

Oisix.大地さんや生活クラブさんなど、中間になる小売・団体がある程度のロットで発注してくださり、流通がまとめて集荷して運んでくださるからこそ、実際に購入して食べる消費者の方々につなげてもらえます。弊社は添加物を入れないことから、各過程で低温を維持していただかないと事故につながるので、本当にありがたいことです。

他社事例や食品業界の潮流を改めて教えて学ぶことで、大きなプレッシャーも感じつつ、対応すべき課題が浮き彫りになってきます。自社で育てた農産物や自社で作った漬物を、さらに自信を持って届けるには何が必要かな?管理や検査はもちろんですが、前提として、働き手一人ひとりに意識的に各工程を担ってもらうことであると思います。

弊社の働き手たちは、過去も現在もとても優秀。もちろん色んな考え方の人たちがいますが、彼ら彼女らが貴重な人生の一コマを月山パイロットファームに費やしてくれているからこそ、何とか続けていられるのだなぁと思ったのでした。

 

蛇足ですが、大学の講義のときから、基本的に2列めで受ける私ですが、この男性占有率の高いスーツの中に入る気にはならず…世界経済フォーラムによる男女格差指数ランキング144カ国中111位(2016年)の日本ということが頭をよぎったわけですが… これはOisix.大地さんとは無関係に、大きな会合でいつも思うことです。

が、実際に話すと哲学を持った方々が多いのも、Oisix.大地さんなどの会議の特徴。今回は、久留米の石橋製油さんとお隣になり、「僕、マス(大量生産)には興味ないんですよ。」と言い切る姿に感銘を受けた次第です。(文責:いずもじ)

2/24 ラディックスの会総会に参加して

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2018年2月24日一橋講堂で、らでぃっしゅぼーやの生産者たちとらでぃっしゅぼーやの職員たちで作るRadixの会の総会がありました。
月山パイロットファームはRadixの会の正規会員ではありませんが、毎年お声がけをいただきまして、都合がつく限りではありますが参加をさせていただいております。

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今回の総会では、2018年2月末に、親会社がオイシックスドット大地株式会社に変わるということで、節目の会になりました。

月山パイロットファームは、大地をまもる会さんとも長いおつきあいです。オイシックスドット大地の会長に就任された藤田会長も、その昔弊社まで足を運ばれたこともあるそうで、日本のオーガニック市場を牽引された方です。

オイシックスドット大地の高島社長が、日本の未来を考えたときに、オイシックスと大地とらでぃっしゅぼーやが争う社会よりも、手をつないで日本のオーガニック市場を成長させていった方が良いのではないかと考えたとおっしゃっていました。

確かに、日本のオーガニック市場は、残念ながら急速に成長しているとは言えません。そもそも日本の農業従事者の平均年齢が66.7歳。この7年で80万人減少して、2017年で181.6万人。

◆農林水産省「農業労働力に関する統計」
http://www.maff.go.jp/j/tokei/sihyo/data/08.html

人にとって食べるものがいかに大切かを理解する教育と、オーガニック、あるいは最低限の農薬のみを利用した農産物を適切に消費者に届ける仕組みができれば、農業分野のみならず、日本社会そのものが前進できるのではないかなと思いますが、幻想でしょうか。

思うところの多い、Radixの会総会でした。

特筆したいのは、総会に先立って行われた博報堂の川廷昌弘さんの記念講演「三方良し+SDGs」。実は、1月23日に行われた生活クラブの新年会でも、会長の加藤さんが講演の主題とされていたもので、テーマとして耳にするのは2回目でした。

2015年9月に加盟国193カ国の合意で採択された国連決議で、環境悪化や貧国・格差が顕著になってきてしまった人類の未来を変えるために設定された、各国共通の目標です。持続可能な開発目標「Sustainable Development Goals」、略してSDGs、2030年を一つの区切りと考えています。

月山パイロットファームは弱小?の会社ですが、掲げている目標は壮大です。SDGsの17の目標に当てはめたらどうなるかな〜?と思いつつ、国連広報センターなどチラチラと見ていました。

◆国連広報センターhttp://www.unic.or.jp/activities/economic_social_development/sustainable_development/2030agenda/sdgs_logo/

◆外務省のSDGsガイド
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/files/000270935.pdf

わからないことがあれば、直接国連に聞いて見るのも良さそうです。
(文責:首都圏いずもじ)

◆らでぃっしゅぼーや:
https://www.radishbo-ya.co.jp/shop/

◆Radixの会:
http://www.radix-jp.org/

今年も民田茄子の苗が育っています。

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民田茄子(みんでんなす)の鉢上げ。
小さな小さな苗を、一つ一つのポットに植え替える作業です。一人ひとり、小さな部屋に分けて育ってもらうと言えるでしょうか。

ことしは3500本植える予定です。

それにしても、みんな本当に手早くなったな〜!!と専務。
写真では伝わりにくいですが、決して楽な作業ではありません。話しながらゆったりというわけではなく、なぜか無言でもくもくと進めて行ってしまうものなのです。

これからは、ぐんぐん育ってくれるように、ハウス内の温度管理・風通し・水やり・施肥など、非常に気を遣うことになります。

 

苗がこのくらいに育ったら、いよいよ鉢上げの作業。この頃の生育具合を的確に見極めないと、その後の成長に大きく大きくおおきーーーーく影響します。

しっかりと育った民田茄子一本から、1シーズンでおよそ400粒のナスが収穫できます。
生命力、です。

2020年4月1日食品表示が変わります

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2020年4月1日から原産地表示や食品成分表示の義務化など、食品の表示方法が変わります。
らでぃっしゅぼーやさん主催の研修会に参加させていただいて、改めてパッケージ(包材)の表示について見直すと、んーーーー、これは新法上ではもしやNG?!と思われる部分を発見!次回の包材発注のときがロスのない変更のチャンスですので、心して取組みます。

月山パイロットファームの取引先は、製造される食品自体のみならず、表示についても意識が高い団体・個人のみなさまがほとんどであることもあり、おかげ様で適切なご意見をいただくことができます。

ただ、今日の研修でもあったとおり、自社で表示の内容とその根拠を改めて確かめる必要があると感じました。
現在の移行期間の過ごし方が非常に大切、とのことでしたが、まさにその通りですね!

それにしても、表示する側からしても、ルールがもっと分かりやすくならないものかなと思うのは、日本全国の担当者共通の認識では?遺伝子組み換えについても、遺伝子組み換え素材を使っているのかどうかがパッと見えてこなくても消費者は納得しているのかな…という疑問も湧いてくるわけですが…

ただ、まだまだ変更が続きそうな表示関連の法制度ですので、この後も膨大な情報量ですが、とにかく自社に関連する部分を抜き出して情報共有し、社内で「表示仲間」を増やしたいところです。

らでぃっしゅぼーやさん、ありがとうございました!

2/26 生活クラブ茨城 牛久ブロックさんとおしゃべりキッチン

今回は、生活クラブ茨城 牛久ブロックの皆さんからお声がけいただきました。この度の「新・おしゃべりキッチン」は、「主食ファミリー」をテーマに、そばの生産者のおびなたさん、パスタ類の生産者であるニューオークボさんと一緒に、お話をさせていただきました。

おびなた木戸さんとニューオークボ中島さんのお話に聞き惚れてしまったいずもじですが、この度も、月山パイロットファームの成り立ちと、循環し持続できる農業を追求する一貫として漬物製造も行っていることをお伝えしました。

また、生活クラブの生産者交流会のメンバーでは(本当に残念ながら)珍しい「主婦・ママ・組合員」ということで、食べ物が私たち自身、そして家族の命を支えていることを改めて確かめました。

そして、毎食「おかずを並べなければならない」という強迫観念に駆られることなく、ごくごくシンプルに、ご飯と、豆腐と野菜を入れたお味噌汁があれば足りるのでは?という再提案をしています。

生活クラブのみならず、日本で低農薬・無農薬、有機肥料での栽培、そして無選別の流通市場を根気よく育てていくことが、これから100年200年先の未来を育むことになると思います。
すでに国連では、2015年の時点で、このままの農業を続けていけば、あと60年で作物栽培に適した土がなくなるという提言をまとめています。残念ながら日本も例外ではないでしょう。

今後の生活クラブさんの生産者交流会、その他お招きいただいた会では、弊社の成り立ちや生産方法の概要、製品の特長に加えて、上記なことをお話しさせていただくつもりです。

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なにやらおそろしげな食べ物ですが、青大豆まめぽんをご飯で炊き込んだもの。塩を加えてもOK。シンプルですが、豆とお米の良さそのものです。

【おそばのおびなたさん】

さて、おびなたの木戸さんとは初コラボ。


おびなたさんは、製粉から一貫してそばの生産を行うメーカーさんです。消費材である戸隠そばは石臼挽きだそうです。
48台の石臼で、本当にゴリゴリ時間をかけてそば粉を挽いているとのこと。1台で、1時間かけて2キロしか挽けないのですから、貴重というか稀少というか、そば本来の風味を残すことを最優先にしている姿勢がうかがえます。

麺になった状態でしか、なかなかお目にかかることがないそば。黒いんですね!ここからそばになるまでは、長い道のり。

原料のそばも、長野県産と北海道産で無農薬。小麦粉も主に北海道産。
しかも、そば粉にしてからは劣化が速いので、一貫してそばまで生産できる環境を調えていることも、美味しさの秘密となっているようです!

 

おそばに加えて、中華そばの製麺も行っていることから、試食の準備も大変そうですが、さすがに手早い交流会マスター木戸さん。

 

【乾麺・生麺パスタのニューオークボさん】

ニューオークボ中島さんとは、3回目のコラボということで、当方も少しパスタにくわしくなってきました。

ニューオークボさんのパスタは、原料こそカナダ産のデュラムセモリナ粉(残念ながら日本では栽培できません)ですが、小麦の粒の外皮から4割を削り取って、内側の6割だけを粉にしてパスタを作るという超贅沢品。
ポストハーベスト農薬の影響を最低限に押さえたいという、組合員からの要望で開発されたそうです。

こちらもまた、たっぷり時間をかけて、わざわざ(!)練りの作業工程を加えて自然のグルテンの作用を引き出しています。
麺の乾燥も、低温で時間をかけて行うので、麺が飴色に焦げ付くことがありません。

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パスタシートを、カリッとあげたもの。ほんのすこしの塩で 。

生産者どうしというのも、本当に勉強になることが多いです。
デュラムセモリナ小麦は交配しやすい品種とあって、日本での栽培は今のところできないそうです。

北海道で少しずつ栽培されているルルロッソという品種が、かなり気になるところではあります。そして、特別な種のことを思うと、種子法も気になるところではありますが。

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ナポリタンが美味しすぎ。食感と甘みを感じていただくには、ぜひニューオークボさんに足を運んでもらうこと、あるいは技術を習得することだと思います(笑)

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ところで、牛久センターさんの入り口にはこちらのボックスがありました。
実際には、ある程度揃ったところでフードバンクまで運びに行かないとならないようですが、目に留まるところに置いてあれば、「何かな?」と思わずにはいられず…

季節も良くなってきましたから、キッチンの片付けもかねて在庫整理はいかがでしょうか。情報まで、です。

 

主催してくださった牛久ブロックの皆さん、そして足を運んでくださった皆さん、本当にありがとうございました。
忌憚のないご意見を、お寄せいただけたらと思います。

生活クラブ茨城 牛久ブロックさんのウェルカムパーティにお声がけいただきました!
○2018年5月29日10:00-13:00
○牛久センター
私たちが食べるもの、食べることを、ちょっと立ち止まって見直してみませんか?日本にも、身近なところに「きちんとしたものを作って食べてほしい」と思って活動を続けている生産者が多くいることを知っていただければと思います。