2024年7月25-26日水害について

各方面より、お見舞いをいただき、心より感謝申し上げます。

ネットワーク環境が調わず、ご報告が遅れたことをお詫び申し上げます。順次こちらのページに状況報告を掲載してまいります。

引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

水量の程度

水が溢れ出したらあっという間。ものの20分程度で、腰の辺りまでに水が上がってきたようです。

一過性で凌ぐのは当然無理なレベルで、日常から備えておく以外に対応策はありません。

被害状況

2023年度の米の在庫がなくなりかけていたので本当に幸いでしたが、出荷直前で保管していた米袋が、一部水に浸ってしまいました。当然食用にはなりませんので、畑に戻しています。

今回の浸水を機に、精米施設も衛生管理の面から大幅に見直して行く予定です。発送をお待ちいただいた皆様、誠にありがとうございました。

収穫期になり、米の乾燥機の不具合が判明しました。しっかりと使わないと機械内部の不調は分かりにくいこともあり、今後も注意しながら、何とか今期の収穫を終えられるように進めているところです。

被害の影響が米にどの程度及ぶかは、まさにこれからになります。継続した生産には、適切な価格で消費していただく必要があるため、皆様のご理解とご協力を引き続きお願い申し上げます。

だだちゃ豆

誠に遺憾ながら、品種の1号、3号、5号まで、収量ゼロ(全滅)で確定しました。

水害前、収穫直前でいよいよ身が太って行くところでした。

降り続く雨になすすべなし。

多少水が引いたところなので、耕運機が草だらけになっている辺りまで水が上がっていたのが分かります。

水害後は、完全に水没し、泥がベッタリと付着した状態になり、出荷のみならず食用としては適さない状態になりました。

農作物の被害、と言っても様々です。雨が上がって水が引けば、何日も水が引かなければ別ですが、農作物が立ち上がって青々と見えます。

ですが、泥が完全に実を覆ってしまい、養分を土壌から実に蓄えて太ってきたとしても、食用にするのは極めて困難です。おそらく何度洗浄しても泥は落ちないので、パックしたら泥だらけで腐敗の原因になります。出荷するには選別が必要ですが、素早く確認して行くこともできません。

消費者の手に渡る時は、茹でればOK!の状態になっていますが、農産物は、実は本当に奇跡的に出荷されているようにも思えます。まさに、自然の恵み、ですね。

青大豆

収穫期まで確定はできませんが、現在のところ大きな影響を受けずに成長を続けています。

なお、月山パイロットファームではありませんが、近隣の懇意にしている生産者仲間で、きなこ専用の大豆品種を植えている畑(減反)は、水害後、全面真っ黄色になり収穫が見込めなくなってしまいました。

みな余裕があって生産しているわけではありませんので、まさに見るに耐えない光景です。補償があるから良いという議論もあるでしょうが、多分そんな気持ちで農家を続けている人はいないと思います。作物を育てるのは、人を育むのに限りなく近いです。本当に愛しいし、喜びです。

あぐりの皆さんから洗浄等

漬物生産の終了にともない、工場建物のうち1棟を地元の農業生産法人であるあぐりさんにお貸ししています。立地や建物形状から、活動に適しており合意に至ったものです。

残念ながら、この工場建物も浸水。洗浄等は、あぐりさんのメンバーの皆さんにお願いしました。ご協力に、心より御礼申し上げます。

ご協力

大変多くのボランティア有志の皆さんから、多大なるご協力をいただき、何とか稲刈りのシーズンを迎えております。

田畑のみならず、社長自宅、複数の車輌、農機具、稲倉、機械小屋に至るまで、浸水してしまいましたが、全くの手弁当で朝から晩まで、危険な力作業とひたすら洗浄という作業にご協力をいただき、感謝の申し上げようもございません。

社長夫妻のご友人たち、親戚、議員の皆さん、郵便局長会の方々、市役所の要職の方など、ご自身の立場もありながら時間を割いてお力添えいただいたこと、心より御礼を申し上げます。

現社長、会長が東日本大震災のときのボランティアのご縁で、あいコープふくしまの理事長がお二人で、遠路はるばる支援物資を載せて足を運んでくださいました。

電話が不通だったため、震災経験ならではの経験を活かし駆けつけてくださったのだと思います。

この後、あいコープ様、共生会様、高橋徳治商店 高橋社長から義援金をいただいております。現在、あいコープさんには何ら貢献出来てないので心苦しい限りですが、会社の存続のためにも有効に使わせていただきます。

この場を借りて、厚く御礼申し上げます。お互い頑張らないとなりませんね。

今後

現在、月山パイロットファームの主力は稲作と畑作にシフトしています。今回人的な被害が最小限で抑えられているのは、水田という巨大な水瓶があったからこそです。

支流を含む川の底に泥や枯れ草、木材等が溜まった状況では、被害を繰り返すばかりですので、既に整備されている河川のメンテナンスをこまめに行って行く方法も必要かと思いました。気候変動の影響か、高温多湿の日々が続けば草木も自然に伸びます。

自然環境の変化を取り込む政策が求められています。

水に浸った豆の発酵力を感じました。熱を持ちます。

なお、主に個人用に作付けしている畑の作物は、物理的に完全水没。水の引きが早かったので、収穫できている作物もあり、改めて大地の力も感じています。川が山の栄養を運んでいるのも、間違いのないことです。