生活クラブ青果の会 全体会に参加

2024年2月22日 @JA全農青果センター大会議室(埼玉県戸田市)

第18回生活クラブ「青果の会」総会・全体交流学習会に参加しました。

今回は、出雲路のみ、初の参加となりました。長年にわたって会長の相馬一広が世話人を務めさせていただいていたこともあり、お顔が認識できておらず、ご挨拶ができなかった方々には大変失礼を申し上げました。

4年ぶりの開催

コロナ禍で、生活クラブ向けのみならず、野菜や果物の供給を担う生産者は病に倒れることを避けるべく都市部での会合は避けられてきました。

そのため、4年ぶりの開催ということで、緊張感と安堵が入り混じるような雰囲気だったかと思います。

会長を務められる沃土会の丸山さんがご挨拶の中で、「どんな愚痴でも結構です。みんなで改善できる状態にしていきたい」と述べられていました。

農家は饒舌でない方が多いです。まさに最前線で土を耕している人もいれば、いわゆる営業担当もいますし、農協の職員もいる会です。立場を超えて、抱えている不安や疑問を話せる場(この一度きりの会だけでなく)があれば良いなと思いました。

生活クラブ連合会 村上会長もご挨拶

コロナが一段落し、生産者と組合員とが話す場を再開できてよかったこと、そして、観測がなされた125年間で最高の気温の猛暑の中で、青果物の供給に感謝していますと述べられました。供給高は、ここ3年間でおよそ95.5%,104.5%  99%程度という推移。

生活クラブでは、青果の独自の基準として、「あっぱれ野菜」「はればれ野菜」「たぐいまれ野菜」その他の区分がありますが、特に「あっぱれ野菜」「はればれ野菜」を食べる消費者を増やす努力していきたいとのことでした。

2024年2月に、「あっぱれ野菜」「はればれ野菜」の野菜セットが1万点を達成したこと、そして、さらに登録者数を増やすことが必要性を認識されていました。

この10年間、100万人の農業生産者が減ったことは、農水省のHPからも明らかですが、他の生協と協力し農業者への対策を求め、国会に要望書を提出してくださるそうです。

供給数が1万を超えたとしても、生産と供給の価格体系の均衡が取れているとは認識しておらず、やはり政府の関与が必要と考えており、また、消費者も、安定した食糧生産がないと困るという点を認識したいと述べられました。

良いものを持続的に生産する生産者を支えて行きたいという言葉に、生産者も励まされたと思います。

JA全農青果センター坂本部長からは、全大会開催への祝辞とともに、供給実績の伸びから考えて、青果の会のこれまでの取り組みが「組合員の満足度につながっているのでは」とのご指摘がありました。

JAこしみずさんからは、「はればれ野菜」のブロッコリーが供給されることになったこと、コロナ禍では産地(丸エビ)と組合員による動画制作などがあった点も報告がありました。

組合員の満足度を向上させる取り組みには、青果の会の必須条件と考えること、また、今年度は「アースメイド野菜」と果実の拡大の取り組みを柱として行くために協力をお願いしたいとのことでした。

生産者との提携を解消、離農の現実

新しい提携先が見つかる中で、離農したり提携を解消する生産者もあり、全体では生産者数が純減しているそうです。

暗い話題ばかりでは残念ですが、肥料価格やエネルギー価格、輸送コスト等も上がる中で、なかなか明るい話題を見つけることが難しい現状です。

しかしながら、一部の生産者団体は、新たに実績を伸ばしているところもあります。長年の努力の賜物と思います。人を育てるのは時間がかかりますが、方法はきっとあるはずです。

日本は、こんなに国土が小さいのに、四季があり、気候にも差異があり、各地の非常に美味しい食べ物がある大変に自然豊かな国です。各地の生産者のお話を聞いて、改めて感じました。

自国の食糧生産を今後どうして行きたいのか、特に穀物は、その国をその国たらしめるほどの文化的な土壌をもたらすと考えます。人口減なので問題は生じないのか、AIとロボットが請け負ってくれるので大丈夫なのか…うーん、と思いながら帰宅しました。(毎年Boston Dynamicsのロボットの進化を見ていますが、素人が使える日が来るのはしばらく先だと思います。)

組合員メッセージ、ありがとうございます!

メッセージカード、届きました。
組合員の皆さん、確かに受け取りましたので、ご報告いたします。

皆さんも、庄内の寒さに耐えながら育った小松菜から、元気のかけらを得てください!

多少しおれてお手元に届いても、小松菜は一度水洗いしていただくと、シャキッと復活してくれるはずです。

月山パイロットファームだけでなく、大変多くの生産者が、生活クラブの野菜生産に携わっています。皆さんのお気持ちを、ぜひ言葉にしてお伝えください。

私は、沃土会さんの野菜がとにかく大好きで、どろんこのメッセージカードに、さらにメッセージを書いて返信することがあります。モロヘイヤの茎がだんだんと硬くなって行くのを感じながら、あー、今年も夏のピークが過ぎたなと思って、夏の作業につくづく感謝しています。埼玉県の奥地が、どんな暑さかと…

理解ある組合員の皆さんもさることながら、生産者のお名前を拝見し、食べたことのある野菜・果物を思い出し、同じ会議に出席させていただいて本当に光栄と思う会でした。どんな形であれ、10年、20年と、本当にしっかりと続けて行きたいと決意を新たにしました。

文責:出雲路

あいコープ共生会 第35回総会

2024年2月9日 @宮城県秋保温泉 ホテルニュー水戸屋

2019年松島開催以来、5年ぶりの実開催になったとのことでした。

今年はだだちゃ豆生産について区切りとするため、出雲路が参加させていただきました。長年のご担当の方にも御礼とご挨拶ができ、気持ちの上でも節目とすることができました。

能登地震と東日本大震災

宮城県と言えば、東日本大震災で壊滅的とも言える被害を受けたところです。今年元旦の能登地震の様子を見て、当時のことを思い出した生産者や生協関係者の方がほとんどだと思います。総会中も、端々に能登地震の被害について、触れる場面がありました。

特に、あいコープふくしまは、原発による被害が今なお続いている中で、まずはあいコープの知名度を上げ、仲間を増やす取り組みが報告されました。

総会会場では、昨年、開発や取組みで目玉となったマヨネーズ等の商品の一部が販売されており、商品紹介とともに、販売益を能登地震への寄付とする仕組みが作られていました。

資源循環への具体的取り組み

コロナも落ち着き、組合員と生産者が直接対話できる環境が戻ってきたことで、改めて資源循環という視点から活動を始めたという報告が、とても印象的でした。

地場の複数の生産者や組合員、東北大学の学生等、様々な人たちが関わって、これまで廃棄されていた未利用資源を活用して行く取り組みです。生産者も、まさかこれが役立つ=資源になると思っていなかったり、活用すれば資源になるのだけど… と頭では分かっていたけれども一歩踏み出す余裕がなかったり、こういった点と点が少しずつ結び付いて、小さなうねりが生まれていました。

生産者どうしのふれあい

宮城まで来ないと会えない生産者仲間もいて、数名つかまえて(!)ご挨拶や近況をうかがったりすることもできました。特に、会長の世代の人たちとのお話は貴重ですし、震災から立ち直った生産者たちの力強さも励みになります。

豆腐、醤油、練り物、牡蠣、野菜、果物、石鹸等々、こだわりを持ってよく頑張っていらっしゃいます!

みんな、決して全てが順調というわけではないと思いますが、本当に温かく、ものを生み出す人たちの寛容さというか地に足のついた「覚悟」のようなものを感じて帰ってきました。

職員の皆さんは、非常に若い方も多く、みな力を合わせて成長して欲しいと強く感じました。

組合員は圧倒的に女性、しかも家庭がある女性が多いはずです。決定権のあるところで、子育ても介護も日常的にこなす人たちが活躍できれば、今後の日本の経済状況で力強く成長を遂げる原動力となるでしょう。

地方の生協という立場であるからこそ、機動力を持って少子高齢化にも柔軟に対応して行ってほしいです。

会場となったニュー水戸屋さんは、和の雰囲気で満たされていました。

2020/7/28 豪雨による被害は部分的

月山パイロットファームの被害状況です。

・第2農場も含めて、畑の一部浸水。
・懸念されていただだちゃ豆は、おそらく大丈夫であろうという観測ですが、湿度が高い状態が続いているため、病害虫の発生の恐れはあり。
・機械類の被害なし。
・人的被害なし。

被害は大きいものでなく、現時点(7月30日)で運営上に支障はないと判断しております。

1)だだ茶豆の圃場
2)会社のそばの用水路
3)増水した鶴岡市藤島地区の藤島川(会社からは2キロ程度離れています)
4)浸水した畑からトラクターを移動(エンジンも問題ありませんでした)
5)夕方6時ごろ秋田方面に晴れ間、新潟方面は黒雲
6)翌日朝6時ごろのだだ茶豆の圃場

1)だだ茶豆の圃場 浸水

2)月山パイロットファーム本社付近の用水路(徒歩0分)
3)増水した鶴岡市藤島地区の藤島川(会社からは2キロ程度の距離、庄内農業高等学校の校舎を臨む)
4)浸水した畑からトラクターを移動(幸いエンジンも問題ありませんでした)
5)夕方6時ごろ秋田方面に晴れ間、新潟方面は黒雲
6)翌日朝6時ごろのだだ茶豆の圃場 水が引いて、青空に

今回も、大変多くの方から温かい励ましのご連絡をいただきまして、誠にありがとうございました。

あれよあれよという間に水位が上がり、あと1時間遅ければ、トラクターはエンジンまでダメにするところでしたが、間一髪救出?できました。一体どうやってトラクターまでたどり着いたのかという疑問も湧くわけですが…

おかげさまで、翌朝にはすっかり水が引いておりました。
雨が止んだことに加え、昨年行った暗渠排水の敷設工事が功を奏したものと考えられます。

避難勧告が出されたため、これが避難指示に切り替わったら藤島地区の体育館に95歳のおばあちゃんも連れて避難、しかもコロナの懸念の中で、という状況でしたが、幸い避難指示までには至りませんでした。避難するにも、実に難しい判断です。

庄内に広がる田園に水を供給するために、水路が網目のように張り巡らされています。
一方、田んぼは巨大なダムとして、人の居住域を守る役割も果たしていると改めて感じました。

漬物加工部門の営業終了のお知らせ

月山パイロットファームの漬物加工部門は、2019年3月31日をもちまして営業を終了いたします。

1977年より、大変多くの方々に支えられ成長を重ねてきた加工部門ですが、諸般の事情により継続が非常に難しくなりました。
大変急な決定となり、関係各位には多大なるご迷惑をお掛けしていることを、心からお詫び申し上げます。

各方面から惜しまれる声を頂戴し、誠にありがたく存じておりますが、従業員として月山パイロットファームを支えてきてくれたスタッフの再就職の機会も考慮しまして、3月末での終了を決定いたしました。

なお、在来野菜を含む野菜類有機・特別栽培の水稲の生産は継続いたします。
誠に勝手ながら、和がらし収穫など、超短期での人材が不足する場合には是非お手伝いをいただけると幸いです。

これまでの長年のご愛顧に心よりの感謝を申し上げるとともに、今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。

2/7 生活クラブ千葉 市原ブロックおしゃべりキッチン

今回は、(何と!)生活クラブ千葉 市原ブロックの皆さんからお声がけいただき、おしゃべりキッチンに参加させていただきました。

テーマは『むかしながらの「○○○」』ということで、3生産者がそれぞれ扱っている消費材を通して、ご飯とお茶の食生活が魅力的に感じられるようにお話をしました。

ご一緒したのは、お酢の生産者私市醸造さん、およびアジの開きなど干物の生産者奥和さんでした。

2月は赤かぶ漬や青菜漬の辛みがおさまってきて、最も美味しくなる季節と言えると思います。良い時期に呼んでいただいたな〜と思いながらの交流会でした。
数分遅刻の登場で、大変ご心配をお掛けしましたが、熱心な参加者のみなさんとともに、ホームグラウンドでの交流会は格別でした!

交流会では、月山パイロットファームが取り組んできた循環型の農業について、まずお話をします。
実際には現会長が、なぜ創業するに至ったか、どんな方々やどんな考え方に支えられて弊社が育ってきたかをお伝えしています。

「原料が足りなければ、自分たちで作るものと思っていた」

このような考えのもと、赤かぶも青菜も、民田なすも和がらしも、かつては大根やごぼうまで自社で育てていました。メロンコ漬のメロンまで!
意識の高い取引先のニーズに応えつつ、生産製造する自分たち自身にも、危ない薬は用いたくない。この意思を行動の上でも貫徹するのは、なかなか容易なことではありません。
参加者のみなさんに、漬物の加工の一歩手前、野菜が大地から育つところから思いをいたしていただけたら嬉しいです。

農業は農家だけの課題ではありません。一国の食糧の問題と言えるでしょう。そしてそれはすなわち、土から離れて暮らす一人ひとりの課題でもあります。
一次産業無くして、人は存在できません。

【お酢の私市醸造さん】

お話は、おなじみの野口さん。ソフトな語り口と論理的なお話、そして主婦目線(!)が組合員さんのハートをつかみます。

30分という限られた時間ですので、製造工程を詳しく話していただく時間はありませんが、まず原材料が明確で、遺伝子組み換え由来のものを利用していない点、そして、製造方法も最新の技術で安定して生産する一方で、木桶での酢酸発酵という技術を残し続けている点は特筆に値するでしょう。

私市さんの食酢は、ほんのりと木の香りがします。まろみがあるというか、お値段の割に非常に厚みのある味わいです。比べたことはありませんが、りんご酢も本当にフルーツの旨味が生きていますので、市販されているりんご酢とは風味が格段に違うでしょう。

しかも瓶入り。しかも、リユース瓶。
容器の瓶まで徹底している、つまりゴミを社会に出さないようにする取り組みにも長年取り組んでいらっしゃいます。

月山パイロットファームの漬物にも欠かせないお酢。赤かぶ漬や大根の甘酢漬けで欠かせない原料です。そして、加工場の床の塗装をも劣化させるほどの酸度ですから、食品の保存にも非常に効果的だと思います。
何よりも、食べ物が美味しくなる!先人の知恵は素晴らしいですね。

【干物の奥和さん】

お話は、男前の奥村さん。交流会はともかく、新・おしゃべりキッチンは初登場とのことです。干物も奥が深いので、本当に大勢の方からのお話を聞いて欲しいと思います。添加物なしで、ある程度の量産をできる生産者は、日本全国を探しても限りなく少数だと思います。

海にも住所があること、奥和の干物は、海のどこの番地でどの船がどのように漁をして水揚げしたかが追跡できること、効率は良くなくても伝統の製法で魚の持ち味を活かして干物に仕上げていること等々。
到底書き切れるものではありませんが、スピリッツは月山パイロットファームと同様、あくまでもビジネスではありますが、食べる人の未来が幸せになって欲しいと願っているなぁと感じました。

私市醸造さんもそうですが、詳しい話を聴くには30分では足りません。
ぜひ、1生産者をブロックなどで呼んでいただいて、詳しい学習会に参加していただければと思います。デジタルでは伝えにくい思いと空気感を、一人でも多くの人に味わっていただきたいと思います。

合成のアミノ酸の味がしない、天然の複雑な味わいがあるアジの干物。軽く焼くだけですが、背骨以外はすべて食べられてしまいます。小さい子にこそ食べさせて欲しい、本物の味!
まだ外国人の友達に食べさせたことはありませんが、外資系の有名ホテルが目をつけ流のは納得が行きます。


試食タイムは、定番になりつつある 赤かぶ漬のボルシチ風。漬物各種とともに、アジのみならずたくさんの干物バイキング!ピクルスは、3種の酢それぞれで作って食べ比べ。本当に贅沢な試食でした。
干物もお酢も漬物も、ぜひ食べ続けてくださいね。(文責:いずもじ)