ベランダ小松菜 – 月山PF特製腐植を使って –

【下段にアップデートあり】

事の発端は、年始の小松菜収穫お手伝い。

「手伝い」と言っても、生活クラブさん向けの「あっぱれ小松菜」として出荷する、正真正銘の仕事の一貫。

正月休みを終えて、浦安に帰宅。その数日後、彼のもとに届いたものは…

段ボールいっぱいの腐植。そして、根付きの小松菜の株が複数本。
開けてびっくり玉手箱。

ふしょく、と呼ばれるそのものは、なかなかの塊になっていましたが、嫌なにおいもなく、都会の一隅のマンションの玄関で、異様な存在感を見せつけていました。

まさかヤマト宅急便の人も、開けて全部腐食の荷物を運んでいるとは想像がつかなかったでしょう。

この腐植、社長の肝煎ですが、まだまだ研究中のものです。
ちなみに、この後、『土づくり』と題するページ数76ページのパワーポイントファイルが送られてきました…目下、勉強中。

ちなみに、小学4年ひらきくん(社長の甥っ子の一人)は多趣味?で、恐ろしくチャレンジングなところがあり、とりあえず何でもやってみたいタイプ。現在、自分の部屋(和室)で「お友達」と称するコニファー(ゴールドクレスト)30cmも合わせて栽培管理中。4m超えを目指してるそうです。豆腐のパックとストローを使って、独自の水やり機も製作、活用中。

さて、休日でないと作業ができないので、ようやく植え付け。

密かに?ベランダで進めている、「生ゴミリサイクル」の土(まだ土になっていないかも…)、先日までバジルを育てていた鉢の土と腐植を合わせて、土づくり。

1月9日に植え付け作業をした直後は、心配になる程のヘナヘナ具合だったのですが、翌朝には、数本の小松菜の数枚の葉がシャキッと立ち始めました。多めに水をやりながら管理。千葉の日射しのおかげもあるのか、16日には写真の通り、根元が見えるまでに立ち上がりました。

21日になると、もう心配がいらない程になりました。

そろそろ収穫(と言っても、葉を1枚ずつ収穫)できそう。ちなみに、数センチの小松菜は、植えてはみたものの成長は難しそう。ただ、まだ水やりは続けています。

1月26日になると、もはや混みすぎていますから、早く収穫すべきですね。

収穫後の予定は…

ビジネスパーソンのひらきくんは、母親を相手に1枚XX円で商売する予定のようです。
「正真正銘、有機野菜だよ」との売り文句。

また、自分で収穫後は、自分で塩茹でし、炊き立てご飯にくるっと巻いて食べるのだそう。

こんな幸せなことってあるのでしょうか!

外側の葉は、長旅の疲れもあってか、傷ついてしまっていますが、それでもシャキッと立ち上がって内側から育ってくる葉を守り育てているようです。

人智など到底およびもつかない精緻なメカニズムが、小さな鉢の中で静かに働いています。

アップデートーベランダ小松菜その後

育っています!順調に。

日当たり良好ですが、何せ海風が吹き荒れる浦安市です。茎がしっかりせざるを得ないのか、小ぶりでがっしりと育ってきました。

ついに収穫開始。

外側の大きな葉だけを選んで収穫しても、一束にはなりそう。葉が混みすぎて、ハサミがうまく下まで通らなかったそうです。

収穫はいつも楽しい!嬉しい!

あ、お代の支払いを忘れないようにしないとなりません!また、予想通り味は濃厚、茎は繊維が強く、硬かったです。が、実に美味でした。

to be continued…

紫折菜 ムラサキオリナ@雪室?

今年も紫折菜の収穫時期が近づいてきました。

寒い中で、本当によく育っています!何と逞しいでしょう!
今年は昨年の教訓を踏まえて、畝立てをしっかりしたので、多少収穫もしやすい…かなぁ、と思われます。

同じタネなのですが、紫が多いものと緑が多いもので全然見た目が違いますね。こうして多様性が保たれているはずなのですが、その科学的なメカニズムはまだまだ分からないことだらけです。

遺伝子は変わらないはずですし、実は見た目の錯覚??

ともかく、この季節が旬の新鮮な在来野菜をお届けできるように準備を進めております。

ところで…

ハウスの側面にご注目ください。

白い壁に見えますが、白い「雪の」壁です。

ハウスの天井部分と側面を雪が覆い尽くしているので、骨組みがある雪室状態です。

写真の右側に見える雪の塊がハウス

ハウスが、雪の重みで潰れないことを願うのみです。

さらに申し上げますと、ハウスの入り口にたどり着くまでが命がけ。
普通の長靴でたどり着けるレベルではなく、足が埋もれて、場合によっては身体全体の身動きが全く取れない状態になってしまいます。平地ですが、遭難します。

ですので、適切に除雪をして、ハウスの入り口までの道を作ります。収穫のためでなく、様子を見に行くためにスキーを履いて行くこともあります。

先人たちが、知恵と工夫を重ねて、過酷な環境でも命をつないできたことを、改めて思います。そして、植物も生き物も、到底解明できないような完璧なプログラムを持っているのでしょうね。

2021年 明けましておめでとうございます。

皆さま、お元気でお過ごしでしょうか。
本年も、新たな気持ちで農業生産に勤しんでまいりたいと思います。
何卒よろしくお願い申し上げます。

新年、ご覧の通りすごい雪です。

ちなみに、2棟写っているのはハウスです。このハウスの中にたどり着くのが、どんなに大変か、想像に難くないと思いますがいかがでしょうか。

ハウスの中は…小松菜!!
小さすぎて出荷に適しませんが、とにかく育っています。葉の丸みが、何とも美しく可愛らしいでしょう。

見た目に春めいていますが、雪の「断熱効果」でそこそこ保温されてるもの、寒いことには変わりがありません。

ちなみに、この小松菜は生活クラブ生協さん向け、あっぱれ小松菜です。

今回は虫も育てないので、穴あきは少ない…はず!
クレームを出す前に、ぜひこちらの現場をご覧いただきたいと思います。。。ぜひ収穫を体験してみてください。

容赦無く収穫するわけですが…

根を切る姿も様になっています。

ちなみにこの少年は、会長孫=社長の甥ですが、社長の幼少期と見た目が酷似。二人で非常に気も合う(興味も合う)ようです。(社長に似ず)美少年でスリムなまま育ってくれることを願うのみです。←少年母談。

しかし、ハウスの外では…

除雪。

会長と社長が2台のトラクターで。

文字通り雪に埋もれてますが、埋もれながら動いています!
前が見えてますか?ー見えてません。勘です。

そもそも、トラクターに行き着くまでが大変なのがお分かりになると思います。一晩の積雪量が分かりますね。雪国で農業・林業・漁業となると、こういうことは度々起こります。

普通の会社員の方々も、除雪してからでないと出勤できません。学校もしかり。猛烈な吹雪でない限り学校も休みになりませんから、自然に鍛えられますよね。

世界的な豪雪地帯は新潟上越と言われますが、庄内もなかなかです。1階から出入りできるので、まだマシですが!

それではみなさま、あっぱれ小松菜でビタミンを補給していただきまして、健やかな一年をお過ごしください!

またお会いしましょう♬(文責 いずもじ)

芽が出てふくらんで…青々と稲ベビー

先日の苗ばこは、緑で満たされました。

種の遺伝情報と発現の過程は、まさに神秘。究極的に、まだ経験の域を出ません。

これからは、田んぼに植えても大丈夫なくらいまでに、大事に育てていきます。
水分・気温・風量など、細かに気を遣わないと、一部の苗だけ枯れたり、育たなかったりしてしまいます。

時期が極めて重要ですので、後戻りややり直しはありません。

農業は機械の知識も必要?まずはトラクター

多くの自然農法の場合、化石燃料を使う大型機械は田んぼや畑に入れることに否定的です。本当にその通りです。できれば、化石燃料から抜け出したい!

ですが、現実の農業はそう簡単に割り切れるものではありません。

私たちが日常的に自動車や電車を使い、集合住宅に住み、スマホやPCで情報をやり取りしているのと同じレベルで、農業機械を使って生産することが原則になっています。

と言うことで、まずはいきなりトラクター。家庭菜園とは様子が違い、耕運機ではなくてトラクターです。

田んぼを力強く進んでくれそうなトラクターですが、現実はなかなか難しいです。
一面同じように見える田んぼや畑ですが、実際には水分を溜め込みやすところ、風通しが良く乾燥しやすいところ、粘土質がより強いところ等々、本当に状態は様々。
横倒しになれば命の危険もありますので、時間をかけて慣れていただくのが最良だと思います。

…社長も例外ではなく、農家の男子の車好きは、小さい頃から働く乗り物を見ているからかもしれません。一説によると、田植え機ほど面白い乗り物はないとか…

文責:出雲路

種まき-季節はめぐる コロナが迫っても待ったなし

稲の種まきの季節がやって来ました。
例年、この日は村の人たちと一緒に、種まき。もう何十年(何百年?)も行っていることで、稲作の過程で、最も大切な日の一つと言えるでしょう。

今年から、社長が重責を担っているヤマガタデザインさんとの共同作業の初年度。
有限会社月山パイロットファームで管理している田んぼのすべてを、有機田に変えるべく、挑戦の一年です。

超高学歴(!)の方々がヤマガタデザインさんチームから応援に来てくださいましたが、村の人たちも皆ウェルカムムード。本当にありがたいことです。
大変失礼ではありますが、ご高齢チームにとっては、「一緒に稲を作る」という、これほどの喜びはないかもしれません。
良いことも悪いことも、長い時間の中でゆっくりと受け入れられるのが、庄内の良さかもしれません。のんびりしています。。

有機認証を取得した米は、会長・社長も毎年作付けして来ているので、十分な知識と経験は蓄えられつつありますが、とは言え、この世界的な気候変動と言われているときです。
油断できる状況ではなく、すべて実験、その名の通りパイロット(実験)事業です。

電柱は邪魔ですが、からし菜と桜のコントラストは、この季節の贅沢。花は食べられますし、花も茎も葉も、ほんのり辛さがあります。

農業従事者の平均年齢が66歳程度と言われますが、山形県も例外ではありません。
外国で食糧の問題は国の課題として捉えて政策をとっていることと比較すると、随分と見劣りしてしまったのが日本です。

コロナウィルスが襲ってくれば、真っ先に重症化する危険が高い年齢層。日本中、そうです。非常に心配です。現在の日本は、団塊世代が何とか頑張ってくれているからこそ、成り立っているのかもしれません。少なくとも、農業分野はそうでしょう。

とは言え、農業を実践する若い方々にとって、この災いが大きなチャンスになります。使えるIT技術も、これまでなかったアイディアも、とことん試すと良いでしょう。
変化を好まない意見は、受け流しておけばOKです。

コロナウィルスの蔓延は、一年以上の長期にわたると考えており、野菜や食べ物は当然スーパーに並ぶもの、生協や通販でクリックすればいつでも買えて持って来てもらえるものではなくなります。

野菜や食べ物の一部が理想と違うと言って、いとも簡単にクレームを出して来た人たちが、自分の判断の甘さと過ちの大きさを知ることになるでしょう。

この状況で、社会で最も弱い層の人たちにしわ寄せが行ってしまうことにならないか、支援の心を忘れずに過ごしたいと思います。

ジャガイモの種イモを土のベッドに。大きくなーれ!

コロナウィルス感染拡大は、山形県でも残念ながら止まる気配がありません。
吉村知事が、山形国境(!)でできる限りのチェックと、県外から来た方の14日隔離を明示してくださって助かりました。

出だしはやや遅れましたが、県外からの研修生の方々も、そして受け入れる側も、安心して作業に向かうことができます。

各市町村にあった保健所は、現在庄内で一つだけですし、スタッフ数と防護服・呼吸器の設備の調った感染症専門病院もありません。しかも、65才以上の人口がおよそ35万人、全体の3割です。

この春を、「あんなこともあったね」と振り返られる日が来ることを願いつつ、研修生の方々が収穫の時を迎えられることを祈っています。

1年間、どうぞよろしくお願いいたします。
そして、皆様健康に過ごされますように!

(文責:出雲路)