種まき-季節はめぐる コロナが迫っても待ったなし

稲の種まきの季節がやって来ました。
例年、この日は村の人たちと一緒に、種まき。もう何十年(何百年?)も行っていることで、稲作の過程で、最も大切な日の一つと言えるでしょう。

今年から、社長が重責を担っているヤマガタデザインさんとの共同作業の初年度。
有限会社月山パイロットファームで管理している田んぼのすべてを、有機田に変えるべく、挑戦の一年です。

超高学歴(!)の方々がヤマガタデザインさんチームから応援に来てくださいましたが、村の人たちも皆ウェルカムムード。本当にありがたいことです。
大変失礼ではありますが、ご高齢チームにとっては、「一緒に稲を作る」という、これほどの喜びはないかもしれません。
良いことも悪いことも、長い時間の中でゆっくりと受け入れられるのが、庄内の良さかもしれません。のんびりしています。。

有機認証を取得した米は、会長・社長も毎年作付けして来ているので、十分な知識と経験は蓄えられつつありますが、とは言え、この世界的な気候変動と言われているときです。
油断できる状況ではなく、すべて実験、その名の通りパイロット(実験)事業です。

電柱は邪魔ですが、からし菜と桜のコントラストは、この季節の贅沢。花は食べられますし、花も茎も葉も、ほんのり辛さがあります。

農業従事者の平均年齢が66歳程度と言われますが、山形県も例外ではありません。
外国で食糧の問題は国の課題として捉えて政策をとっていることと比較すると、随分と見劣りしてしまったのが日本です。

コロナウィルスが襲ってくれば、真っ先に重症化する危険が高い年齢層。日本中、そうです。非常に心配です。現在の日本は、団塊世代が何とか頑張ってくれているからこそ、成り立っているのかもしれません。少なくとも、農業分野はそうでしょう。

とは言え、農業を実践する若い方々にとって、この災いが大きなチャンスになります。使えるIT技術も、これまでなかったアイディアも、とことん試すと良いでしょう。
変化を好まない意見は、受け流しておけばOKです。

コロナウィルスの蔓延は、一年以上の長期にわたると考えており、野菜や食べ物は当然スーパーに並ぶもの、生協や通販でクリックすればいつでも買えて持って来てもらえるものではなくなります。

野菜や食べ物の一部が理想と違うと言って、いとも簡単にクレームを出して来た人たちが、自分の判断の甘さと過ちの大きさを知ることになるでしょう。

この状況で、社会で最も弱い層の人たちにしわ寄せが行ってしまうことにならないか、支援の心を忘れずに過ごしたいと思います。

ジャガイモの種イモを土のベッドに。大きくなーれ!

コロナウィルス感染拡大は、山形県でも残念ながら止まる気配がありません。
吉村知事が、山形国境(!)でできる限りのチェックと、県外から来た方の14日隔離を明示してくださって助かりました。

出だしはやや遅れましたが、県外からの研修生の方々も、そして受け入れる側も、安心して作業に向かうことができます。

各市町村にあった保健所は、現在庄内で一つだけですし、スタッフ数と防護服・呼吸器の設備の調った感染症専門病院もありません。しかも、65才以上の人口がおよそ35万人、全体の3割です。

この春を、「あんなこともあったね」と振り返られる日が来ることを願いつつ、研修生の方々が収穫の時を迎えられることを祈っています。

1年間、どうぞよろしくお願いいたします。
そして、皆様健康に過ごされますように!

(文責:出雲路)