2/18 生活クラブ千葉 園生デポーで新・おしゃべりキッチン

味噌パンと白こうじたくあん漬の漬け汁ホットケーキも。塩分がだいぶ高めですが、2月に美味しい試食メニュー

今回は、生活クラブ千葉 千葉ブロックの皆さんからお声がけいただき、おしゃべりキッチンに参加させていただきました。

テーマは『安いものには訳がある』。マルモ青木味噌さん、泰山食品商行さんと月山パイロットファームの3生産者が、30分ずつそれぞれの消費材についてお話をしました。

いつもながら、自分の写真を撮っていただくのを忘れてしまいますが…
月山パイロットファームの交流会でお話しすることはシンプルです。
_なぜ生活クラブとの提携が始まったか
_どんな農業・どんな未来を描いているのか
_そのために実践している農業と加工は何か
_現在直面している困難は何か
_一人ひとりの暮らしから変えられることは何か

合間の雑談の方が面白いかもしれませんが(笑)

見た目に安くて長持ちする食品は、何かを犠牲にしている、犠牲にする可能性が高いです。
そして、最後は自分の舌で見極められるようになること。遺伝子組み換えされた食品やゲノム編集された食品は、もはや舌では見分けがつかなくなるでしょう。これが最も恐ろしいことですね。世界、というかすでにゲノム食品の輸入を高速で可能にした日本に住む以上は、食べることによるリスクも考慮に入れた方が良さそうです。
(参考:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190318/k10011852411000.html)

もう一言言わせていただければ、コンピュータのプログラムはたった1行、たった1文字のバグがあっても、全体が動かなくなったり別の作用を起こしたりします。アプリが常にアップデートを繰り返すのも、これが要因の一つです。全体のプログラムが可視化できているプログラムでさえその状態なのに、生物の遺伝子のゲノム編集をすること、そして食べ物として実際に人間が食べていくことは、どれほどのバグになって現れてくるのでしょうか。

【明太子やたらこの泰山食品商行さん】

まだまだフレッシュな新人さん。が、1年もすれば、すっかり育って話し上手になるはず。

お話は河野さん。お話もだんだん板についてきました。
明太子はスケソウダラの魚卵。日本に水揚げされるものは全て鮮度が抜群!というイメージがありますが、実際にはそうでもないようです。ロシア産の魚卵を原料にするのには訳があり、漁獲して船上でそのまま魚卵を取り出し凍結するからとのこと。鮮度が命の明太子、泰山さんではイメージだけで原料を選んではいないそうです。

添加物を使わずに明太子製造を行なっている会社は、日本の中でも現在1社のみ。
それほどに合成化学調味料や保存料が使われるのが業界の常識になっている明太子。稀少であり、貴重であるのは言うまでもありません。しかも、他の消費材同様に、価格が高くない!

また、食品表示に表れない添加物の仕組み、発ガン性その他の毒性についてもお話の中で触れられていて、消費材へのこだわりを知ることができます。

辛くて食べられない、生臭いなどの理由で嫌厭する人も少なくありませんが、おしゃべりキッチンの試食の度に、「明太子は好きでなくて買っていなかったのですが、今まで持っていた明太子のイメージと全然違って、本当に美味しいですね。」という組合員さんの声を聞いています。

【マルモ青木味噌さん】

話の引き出しがとにかく多い!何度聞いても別の話題が入っています。

お話は、鈴木さん。いつもながら冷静!工場で味噌を実際に作っている人の話だなと、つくづく感じました。

漬物もそうですが、加熱をすればタンパク質は変成しますから、酵母菌や酵素は死んでしまいます。かと言って、酵母が生きたままで常温で流通させれば、月山パイロットファームの青菜漬と同様、パンパンに膨らんできて破袋してしまいます。ガス抜きの栓を1パックずつ付ければ、1枚15円の価格増。

常温流通で低価格で供給しようとすれば、自ずと加熱殺菌(つまり酵母も酵素も死んでしまう)の道に入ってしまうというのが発酵の世界です。

試食時間は食べ物と向き合う機会

食べ比べ試食の準備。味噌って熟成期間で味が全然違うんですよ!そして、美味しすぎる明太子がずらりと並びます。贅沢!

試食タイムは、いちばんのお楽しみ!多くの消費材に触れられる機会とも言えますが、一方で、一つの食べものにまっすぐに向き合う機会でもあります。

食べて美味しいのはもちろんですが、その一口から広がるストーリーを感じていただければと思います。それはきっと、毎日の暮らしに深みと彩りを与えてくれるはずです。

主催してくださった千葉ブロックの皆さん、そして足を運んでくださった皆さん、本当にありがとうございました。
今回も素晴らしい出会いがあり、同時に、頭の下がる方々の姿勢も感じることができました。

忌憚のないご意見を、お寄せいただけたらと思います。(文責:いずもじ)